このページはPRを含みます。
当時の私は入社2年目で仕事に行き詰っていて仕事を辞めようかと本気で思うどころか心を病んでしまいそうな状況にいました。
そんな時に私の上司として赴任して来たのが不倫相手の彼です。全然仕事ができなくて前任の上司に無視されていた私のことを、彼は熱心に優しく指導してくれました。
後から聞いた話では、異動候補の筆頭にいた私を、彼は自分の目で確認するために指導していたそうですが、私は弱っていたこともあり、すぐに上司に感謝以上の感情を抱くようになりました。
彼には奥さんも子供もいましたし、上司と部下の関係以外の何物でもないことは私も頭ではわかっていたのですが、気持ちの方は整理がつきませんでした。
その結果、知りあって半年ほどの時に、私は誰にも聞かれたくない相談があると口実をつけて食事に誘うと、そこで涙ながらに好きな気持ちを告白しました。
泣いてしまったのは計算外でしたが、もう引けないとこまで来たと思った私は、なぐさめようとする彼に強引に迫り、その勢いで自宅に誘って関係を持ちました。
彼は最後まで何度も「これは気の迷いだから後悔するよ」と私を止めようとしましたが、私は卑怯にも彼のその常識的な対応を臆病だとなじって、プライドに訴えかけて後戻りできない関係を結ばせたのです。
一度関係を持ってしまえば彼も男なので仕方がないのでしょう。
誘うのは主に私からではありましたが、彼もまんざらではない態度を見せるようになり、順調に関係は続くようになりました。
ほとんど私の家に来て手料理を振舞い、抱かれて、電車があるうちに彼を見送るという短い逢瀬でしたが、私は十分に満足していました。
しかし、時間が経つにつれて彼も次第に冷静さを取り戻していったのか、少しずつ理由をつけて断られるようになっていきます。
私も一時期の狂ったような熱量は失ってきていたので、自分が都合の良いだけの女になっているのではないか、と不満を抱くようになりました。
その頃はもう、彼から誘ってくることはなかったので、そのまま私も放置していたら、まったく関係を持たない時間が1ヶ月以上も続き、限界を悟り自分で別れを切りだしました。
彼は「今まで楽しかったよ」とどこまで本心かわからないことを言っただけの、あっさりした別れでした。
その直後に、私は偶然か仕組まれたのか、異動となり彼に会うことはもうほぼなくなりました。綺麗に関係は終わりを迎えました。