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彼は、高校生時代に私に初めてできた彼氏でした。
電車通学だった私たち。
いつも同じ車両に乗ろうと約束していました。
後から乗ってくる彼がホームで電車を待っている姿を窓から見ると、毎日うれしくてドキドキしたものです。
ところが、1年くらいたったころでしょうか、彼は違う車両に乗りこむようになりました。
そのままなんとなく避けられるようになり、自然消滅のように別れた私たちでしたが、私はずっと彼のことが忘れられずにいました。
私たちは同じ合唱部の同級生でした。
社会人になっても、それぞれ別の合唱団に所属して、趣味の合唱を続けていました。
複数の合唱団が集まるイベントで遠目に彼の姿を見ると、どうしても目が離せなかったものです。
たまに姿を見かけたり、ひとことふたこと挨拶を交わすような関係が5年ほど続きました。
近況報告や世間話ができるようになり、ふとした時に彼は昔きちんと話もせずに避けるようになったことを謝ってくれました。
そうして私たちはラインを交換し、連絡を取り合うようになったのです。
久しぶりに仲良くかわすラインは楽しくトークがはずみました。
私「忘年会しようよ~」
彼「いいね!誰誘う?」
私「・・・私はふたり忘年会でいいんだけどな~」
もちろん、断られると思っていました。
その時、私も彼も結婚しており、それぞれ家庭がありました。
ところが、そんな冗談めかしたラインに彼は
「え?いいの?俺はうれしいけど」
と応じてくれたのです。
そして二人で楽しく飲んだ帰り道、
先に店を出て風に当たっていた私は、振り向きざまに突然引き寄せられ、気がつけば彼の腕の中に抱き寄せられていました。
再会して以来、ずっと仲のいい友達のふりをしていたけれど、私はずっと彼に触れたかった。
今でも少しも忘れられずにいたのです。
抱き寄せられた彼の胸は温かく懐かしく、
私は夢中でしがみつきました。
今でも、人前では仲の良い元同級生のような顔をしながら、
年に3回くらい、ふたりで会う関係が続いています。