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私は大学を卒業した後にある企業で正社員で働くことになり、3年ほど中小企業で働いていました。
しかし、社長があまりにワンマンなことと上司の意見がコロコロ変わることで、業務にも支障が出ることが多く、ストレスだらけになった後、会社を辞めました。
当時、遠距離で付き合っていた彼氏がおり、私が会社を辞めるタイミングで「こっちに来ないか?」と聞かれたのですが、それがプロポーズでもなかったので踏み出すことができず、数ヶ月ほど海外旅行をしたりのんびりした後、派遣会社に登録をし、上場企業のある商社で営業事務として働くことになりました。
以前の職場と違い、会長、社長が直接の業務に関わることは無く、皆がテキパキ働いているドラマのような職場でした。
私のデスクはフロアの一番端のグループでしたが、時々コピーを取りに行く時に話しかけてきてくれる他部署の上司がいました。駐在先のシンガポールから8年振りに戻ってきたというその上司は身ごなしも良くとても爽やかな男性でした。
時々声を掛けてくれるだけの関係から急に発展したのは、ある社員の海外赴任前の打ち上げの時でした。たまたま近くに座ることになったその上司と、海外生活について、お互い同じ作家の本が好きということも知り、気付けば隣同士に座りずっと話していました。彼には奥様も2人のお子さんもいることを知っていましたが、深い話をしたことで共通のものを持っていると感じてしまい、好きになってしまいました。
その後、壮行会や打ち上げのたびに話すことが増え、年末最後の仕事の日、納会の時に「この後少し話そう」と言われました。
会社から少し離れたところで待ち合わせをし、タクシーで繁華街に行きました。上司のお気に入りの静かなバーで2人で飲んでいる時に、そういう関係になる覚悟をしました。
その夜、私は上司と関係を持ってしまいました。一度関係を持つと心だけでは無く身体も上司のことを考えるようになり、奥様に対して強く嫉妬を感じました。
でも、私自身不倫に対してはずっと嫌悪感を持っていたので、誰にも相談できず、上司にも好きなのに不安を感じるばかり、と辛くなり食欲も無くなり精神的に不安定になりました。
3ヶ月ほど不倫関係は続いていたのですが、私の直属の上司にある日「正社員にならないか?」と言われました。
そこで私はハッと目が覚めたのです。こんなありがたい話を喜んで受けることができない、ということにゾッとして震えました。前を向いて生きていけないことを痛感したのです。
そして、私は正社員のお誘いを断り、派遣会社経由で仕事を辞めました。
上司には正社員の話があったことも伝えていません。辞めることも直属の上司しか知らせていなかったので、彼には伝えませんでした。
会社を辞めた時点で携帯電話を買い換えました。
心が辛くてたまりませんでしたが、もう上司のことを考える気持ちを断つためにがんばりました。
今では私は当時遠距離だった彼氏と結婚をして子供もいます。
あの時のことを思い出すと「魔が刺した数ヶ月」なのかな、と思います。